このページでは、「真の当主は私だった」1話から10話までのネタバレあらすじをまとめました。
「真の当主は私だった」1話ネタバレ
雨が降りしきる中、リアルテ・エルハイムは青く光る魔法陣の上に立ち、手枷を嵌められたまま静かに佇んでいました。
エルハイム一族の中で、唯一「水の力」を覚醒しなかった彼女は、家門の恥と蔑まれ続けていました。それでも家族に愛されることを願い、努力を重ねてきたのです。
しかし、その願いが叶うことはありませんでした。結局、一族のため、そして双子の弟リアンのために命を捧げることになり、彼女は静かに涙を流します。
処刑の瞬間、青の精霊石が強く輝き、リアルテの中で眠っていた「水の力」が目覚めました。死を目前にした彼女の前に、砕け散る精霊石とともに現れた青年が、目覚めてほしいと懇願します。
次にリアルテが目を覚ますと、そこは自室でした。気づけば、暗殺者から弟を庇い、毒に倒れた三年前に戻っていたのです。
リアルテは決意しました。この家門を捨てることを。
生まれ変わってもなお、彼女は「覚醒者」としての力を持ち続けていました。これは祝福なのでしょうか、それとも呪いなのでしょうか――。
それでも、彼女の「エルハイムを捨てる」という決意が揺らぐことはありませんでした。
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「真の当主は私だった」2話ネタバレ
ミハエル・ビルーチェは、“皇室”による呪いによって視力を失っていました。
その呪いを解くことができるのは、水の力を持つ覚醒者だけです。
しかし、エルハイム家が協力するかどうかは不透明でした。というのも、エルハイムの人々は、かつて一族を襲った暗殺者がビルーチェ家の手の者だと信じていたのです。
そんな中、ミハエルの呪いを解く者には、どんな望みでも叶えるつもりでいるという話が広まります。
ミハエルと面会したエルハイム公爵は、嘲るように薄く笑いました。
呪いをかけられた彼を気の毒そうに見つめながらも、協力しようとはしません。
「解呪には、その者の自発的な意思が必要だ」とだけ伝え、ミハエルを突き放したのです。
その夜、ミハエルのもとに訪問者が現れました。
現れたのは、リアルテ・エルハイム。
警戒しながらも、ミハエルは彼女を部屋へと招き入れます。
するとリアルテは、彼の呪いを解くことを申し出ました。
ミハエルは驚きながらも、その提案を受け入れます。そして、その対価として「全てを君にやろう」と約束するのでした。
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「真の当主は私だった」3話ネタバレ
ミハエルにかけられた呪いには、古代の黒魔術が使われていました。
時間が経つほどに失明の危険が増す、七層のベールに包まれた異質な呪い――。
リアルテは、彼の体への負担を考え、一日に一層ずつ解呪することを伝えます。
ミハエルは彼女の知識に驚きました。そして、彼女から放たれる水の香りと、覚醒者としての力に強く惹かれながら、次の解呪の約束を交わします。
――リアルテが処刑されたのは、ミハエルにかけられた呪いが発端でした。
前世のミハエルは、呪いを見捨て、エルハイムを嘲笑した一族への復讐を誓い、戦争を起こしました。それに対抗するため、精霊石を目覚めさせ、リアンの力を完全なものとするために、リアルテは命を捧げたのです。
しかし、精霊石の真の主はリアルテでした。
彼女はその事実をエルハイムには隠し、自由の身を手に入れる決意を新たにします。
一方その頃、双子の弟・リアンは、変わってしまった姉の様子に焦りを感じていました。
そして、精霊石の輝きも次第に強くなっていくのでした……。
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「真の当主は私だった」4話ネタバレ
夜。
リアルテとミハエルは、呪いを解呪しながら少しずつ距離を縮めていました。
リアルテは彼を名前で呼び、労わり、慈しむように接します。
彼女の強い覚醒者の力と、思いがけない励ましや優しさに、ミハエルは次第に心を奪われていきました。
彼は、早くリアルテの姿を自分の目で見たいと強く願います。そして、「名前を教えてほしい」と静かに頼みました。
リアルテは、視力を取り戻すまで待つよう約束します。
それから数日後。
リアルテは、覚醒者についての知識を深めるため、図書館を訪れました。
懐かしさを覚えつつも、すぐに思い出します。
ここは、家族から嫌われる自分が唯一身を隠せる場所でした。
そして――かつて、三兄弟のうちの一人、三男・フィアミンと共に知識を蓄えた場所であり、彼に裏切られた場所でもあったのです……。
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「真の当主は私だった」5話ネタバレ
幼い頃、リアルテは兄・フィアミンに罪を擦り付けられ、耐えがたい罰を受けました。
その記憶は、彼女にとってトラウマとなっています。
罪悪感を抱いたフィアミンは、成長した今、リアルテを気遣うようになっていました。
しかし、前世で死を経験した彼女にとって、もはや怖いものなど何もありません。
リアルテはフィアミンの手を振り払い、静かに去りました。
――その夜。
ミハエルは、リアルテとの再会を心待ちにしながら、上機嫌に彼女を待っていました。
しかしその間に、何者かの襲撃を受けます。
ミハエルは、それがエルハイムの手の者ではないと判断しました。
おそらく、ビルーチェ家とエルハイムの不和を狙う何者かの仕業――。
騒ぎを大きくしないよう、ミハエルは襲撃者を静かに撃退しようとします。
しかしその時、リアルテが現れました。
彼女はおとなしく待つよう言われましたが、命令に従うことはなく、水の力を使って戦闘に加勢します。
戦いの最中、リアルテが自分の身を案じてくれる姿に、ミハエルの胸は不覚にも高鳴ってしまうのでした……。
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「真の当主は私だった」6話ネタバレ
リアルテの力を借り、襲撃者は退けられました。
しかし、倒れた襲撃者の体は粉々に砕けてしまいます。
それは、別の呪いなのか、それとも古代魔法の影響なのか……。
謎は残るものの、リアルテはひとまずミハエルの呪いを解いていきました。
一方、ミハエルに呪いをかけ、襲撃者を送り込む黒幕も動き出していました。
彼らは、エルハイムを訪れる計画を立てます。
その頃、エルハイムでは、精霊石の覚醒が近いと考えられていました。
さらに、皇太子からリアンに婚約の打診があり、エルハイムへの訪問が決まります。
その相手は皇女・ニニアン。
皇族の訪問に合わせ、エルハイムではミハエルの歓迎として宴と狩猟大会を開き、彼を招待することにしました。
それから数日。
ミハエルの呪いは残り二層となり、視力もかなり回復してきました。
しかし、ミハエルは複雑な呪いの解呪を続ける中で、次第に傲慢になっていくエルハイムの態度に苛立ちを覚えます。
そんな時、ふと強い水の力を感じました。
そして、鮮明になりつつある視界に、リアルテの姿が映るのでした……。
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「真の当主は私だった」7話ネタバレ
ついに、ミハエルは視力を取り戻しました。
そして目に映ったのは、信じられないほど美しいリアルテの姿。
彼は、動揺を隠せませんでした。
リアルテを救ってくれた恩人として、ミハエルは約束通り彼女の望みを叶えると告げます。
リアルテは、ミハエルに自分の名前を伝えました。
そして、ただ一つの願いを口にします。
二人は、お互いについて語り合いました。
しかし、リアルテは今まで自分のことを深く考えたことがありませんでした。
自分が何を好きで、何が嫌いなのか――。
ミハエルはすぐにでも彼女の願いを叶えたいと思いました。
しかし、リアルテの意志を尊重し、彼女の成人式の日に迎えに来ると約束します。
その頃、エルハイムには一人の男が訪れていました。
彼の名はダンテリオン・エルハイム。
エルハイム家の次男であり、変わり者と評される覚醒者です。
彼は精霊石の様子を確認するため、長男のアインと共に神殿へ向かいました。
すると、精霊石は以前よりもはるかに強い光を放っていました。
そして――
「お前たちは何者だ」
静寂を破るように、精霊石から低く響く声が聞こえたのです……。
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「真の当主は私だった」8話ネタバレ
精霊石の光の中から現れたのは、エルハイム初代当主・ユルエンと契約を交わした精霊王でした。
人々は彼を、「精霊王」と呼びます。
圧倒的な力を放ちながら、精霊王は問いかけました。
「私を目覚めさせた者はどこにいる」
たとえユルエンの子孫であろうと、役に立たなければ容赦なく排除する――
そんな威圧的な雰囲気を纏っています。
困惑するアインは、該当者が外出していることを伝えました。
すると精霊王は、三日後に連れてくるよう命じ、再び眠りにつきました。
――そして迎えた狩猟大会当日。
ミハエルは、エルハイム公爵に視力の回復を悟られぬよう、静観するつもりでした。
しかし、彼の視線は自然とリアルテとリアンの方へと向かいます。
リアルテは、以前のリアンであればこの関心を喜んでいたでしょう。
けれど、今の彼女にとっては、リアンの執着はただ面倒なものでした。
しつこく「どんな獲物が欲しいのか」と尋ねるリアンに、リアルテは困難な銀狐を望んでしまいます。
ひとり木陰に座り込んでいると、ふいに誰かが声をかけてきました――。
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「真の当主は私だった」9話ネタバレ
風に乗って流れてきたリアルテの香りをたどり、ミハエルは彼女のもとへと向かいました。
彼は優しく微笑みながら、リアルテを見つめます。
「痛みに慣れるなんて、そんなことを言ってほしくない」
リアルテが「平気だ」と言うたびに、ミハエルは胸が痛みました。
これまで誰にも心配されたことがなかったリアルテは、自分のために会いに来てくれた彼の存在を嬉しく感じます。
彼女の笑顔を見たミハエルは、思わず顔を赤らめながらも、照れ隠しのように立ち上がりました。
「今夜の宴で、僕と踊ってくれないか？」
リアルテを誘う彼の声は、どこか優しく、どこか不器用でした。
――その頃、リアンは銀狐を捕まえようと必死になっていました。
彼がようやく聞き出した、リアルテの望む獲物。
それを「殺さずに捕まえること」が彼の目標でした。
しかし、その時――銃声が響きます。
音に驚いた銀狐が気絶し、その小さな体に手を伸ばしたのは、ミハエルでした。
一方、リアルテは部屋に戻り、リアンから贈られた宴のドレスを眺めていました。
前世では決してもらえなかったもの。
思い浮かぶ過去と、今世の違い――。
リアルテは決意します。
「今度こそ、自分のために未来を歩む」と。
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「真の当主は私だった」10話ネタバレ
狩猟大会の夜。
リアンは、皇女ニニアンと皇太子を出迎え、宴の会場へと向かいました。
貴族たちは、それぞれの思惑を胸に談笑を交わし、エルハイムの兄弟たちも両殿下に和やかに挨拶をします。
しかし、その時――
会場がざわめきました。
そこには、美しく着飾り、堂々と佇むリアルテの姿がありました。
彼女が登場すると、ざわめきはさらに大きくなります。
そんな中、ミハエルがリアルテへと歩み寄り、ダンスを申し込みました。
彼女はその手を取り、二人は優雅に舞い始めます。
その光景を見たリアンは、戸惑いを隠せませんでした。
「姉さんが……変わった……」
以前とは違うリアルテの姿に、リアンの胸には焦りと苛立ちが募っていきます。
ふと、リアルテは会場の隅にいる皇太子の姿を目にしました。
――前世でも使われた、皇家の古代魔術。
呪いを操る存在。
リアルテは、今回の呪いの黒幕に皇族が関与している可能性を疑い始めます。
その時、ミハエルが彼女の手を引き、優しく囁きました。
「僕と一緒に、ビルーチェへ来ないか？」
その視線には、揺るぎない熱が込められていました。
一方、リアンは二人の様子を睨みつけます。
――彼女を、エルハイムに縛り続けなければならない。
それぞれの視線が交差する中、宴は静かに進んでいきました……。
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