このページでは、「生贄姫は吸血公爵の渇きを甘く満たす」1話から10話までのあらすじネタバレをまとめました。
「生贄姫は吸血公爵の渇きを甘く満たす」1話あらすじネタバレ
エヴァリストにその美しい牙を立てられたとき、リディは自分が生贄であることさえ忘れ、狂おしいほどの愛を錯覚して幸福に溺れてしまいます。
リディは、1年ほど前から原因不明の体調不良に悩まされ、1日のほとんどを寝室で過ごしていました。
学園を休学し、大好きだった魔法学の勉強もできずにいましたが、それでも諦めず、治療法を見つけたいと願っていました。
かつては慕ってくれていた妹のミシェルも、病によって変わり果てたリディを嫌うようになってしまいます。
リディが「昔のように仲良くしたい」と告げると、ミシェルは「仲良し姉妹を演じていただけで、当時から姉のことは嫌いだった」と明かしました。
リディに誰もが夢中になることが許せなかったミシェルは、リディの婚約者であるクライドが現れると突然ドレスを引き裂き、倒れ込みます。
驚いたクライドが駆け寄ると、ミシェルは泣きついてきました。
何が起きているのかわからず、リディはただただ混乱してしまいます。
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「生贄姫は吸血公爵の渇きを甘く満たす」2話あらすじネタバレ
ミシェルの芝居に、クライドはすっかり騙されてしまいます。
リディの弁解を聞くこともせず、彼は「みすぼらしい姿が鬱陶しい」と言い放ち、婚約を破棄しました。
リディは両親からも信じてもらえず、婚約破棄が正式に成立すると、代わりにミシェルが新たな婚約者として迎えられることになります。
そのうえ、リディは吸血鬼侯爵のもとへ送られるよう命じられてしまいました。
吸血城の主であるエヴァリストは、敵国の呪術から王国を守る代償として不老不死の吸血鬼になったと伝えられている人物です。
魔法歴史学の古い論文ではその名が語られていましたが、社交界では美女の生き血を貪り、飽きれば殺してしまうという残酷な人物として知られています。
吸血鬼侯爵に命を救われた貴族たちは、その見返りとして娘を生贄に差し出す制約を受け入れており、今回はリディがその役に選ばれたのでした。
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「生贄姫は吸血公爵の渇きを甘く満たす」3話あらすじネタバレ
本来、生贄には次女が選ばれるのが通例でしたが、リディは「女として無価値」と判断され、貴族部会もそれに賛成しました。
病気が治れば復学できるはずだったリディですが、父親はすでに退学届を提出しており、ミシェルも「クライドと幸せになる」と言い捨てて去っていきます。
吸血城へ向かう馬車の中で、リディは「家族に疎まれ、復学もできないくらいなら、生贄として役に立てるほうがまだ幸せかもしれない」と自分に言い聞かせていました。
城に着くと、1匹のコウモリが女の子の姿へと変身します。
その高度な魔法にリディは驚きますが、彼女は自らを「ミア」と名乗り、エヴァリストの元へ案内してくれました。
そして、さきほどの変身は魔法ではなく「コウモリの姿こそが本来の姿」だと明かします。
ミアはただのコウモリでしたが、エヴァリストが魔法で人間の姿にも変えられるようにしていたのです。
そんな高度な魔法を操るエヴァリストの力に圧倒されつつ、リディはついに彼と初めて対面することになります。
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「生贄姫は吸血公爵の渇きを甘く満たす」4話あらすじネタバレ
エヴァリストを目の前にしたリディは、恐怖で体を震わせていました。
彼女の顔を見たエヴァリストは、目の色を変えて近づいてきます。
しかし、すぐに冷静さを取り戻した彼は、リディに隣に座るよう声をかけ、丁寧にもてなしてくれました。
従者のロアは、今回こそは生贄に情けをかけず、必要量の生き血をしっかり摂取するよう、エヴァリストに進言します。
ミアの話によると、エヴァリストはこれまで吸血を避け、生贄を解放していたため、体調がどんどん悪化しているといいます。
しかし彼は、「自分の口から説明する」と言ってミアとロアを部屋から下がらせ、リディと二人きりになります。
実は、吸血城への生贄制度は、本来は政略結婚を回避したい貴族令嬢たちの一時保護の場として考案されたものでした。
娘たちは礼として血を提供するという取り決めでしたが、恐怖から逃げ出す者も多く、ここ数年は受け入れを中止していたのです。
リディが「覚悟はできています」と伝えると、エヴァリストは彼女を優しく気遣い、「自分に身を委ねてほしい」と語りかけました。
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「生贄姫は吸血公爵の渇きを甘く満たす」5話あらすじネタバレ
エヴァリストがリディを抱き寄せ、首筋に牙を立てると、その甘美な血の香りに彼の抑えが効かなくなりそうになっていました。
血を吸われながら、リディはふわふわとした心地よさに包まれ、思わず甘い声を漏らしてしまいます。
その声に我を取り戻したエヴァリストは、咄嗟に体を離し、「続きは明日にしよう」と言いました。
長旅で疲れているだろうと彼に気遣われましたが、リディは「吸血される前より体が軽く、疲れも感じない」と話します。
その言葉を聞いたエヴァリストは、リディの病が「魔血過剰症」であることに確信を持ちました。
彼はリディの好意に甘えることにし、転移魔法で彼女の寝室へと移動します。
再び彼に血を吸われると、リディは初めて感じる不思議な感覚に戸惑いながらも、彼に必死でしがみつきました。
1週間が経つと、リディの顔色も見違えるほど良くなります。
エヴァリストが戦いから戻った日、彼を城で出迎えたリディは、深い傷を負っていた彼に早く回復してほしいと願い、自ら彼の服をはだけさせました。
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「生贄姫は吸血公爵の渇きを甘く満たす」6話あらすじネタバレ
毎日血を吸われているリディは、次第に慣れるどころか、むしろ敏感になり、声を抑えることができなくなっていました。
そして、城での暮らしとともに日に日に体調が回復していくリディに対して、エヴァリストは「魔血過剰症」について詳しく説明します。
魔力を帯びた血液が体内に過剰に蓄積されることで体調を崩す病で、魔力を消費する術を持たない者が発症しやすいとされていました。
エヴァリストは「吸血することが治療になる」と伝えると、リディは病気を克服する道が見えたことに嬉しさがこみ上げ、思わず涙を流します。
気丈に振る舞っていたリディが子どものように泣く姿を見て、エヴァリストは安心したようでした。
学び直すことを希望するリディに感心した彼ですが、「生贄となった者は存在を抹消され、学園への復学は叶わない」とも告げます。
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「生贄姫は吸血公爵の渇きを甘く満たす」7話あらすじネタバレ
エヴァリストは、王国の人々から恐れや偏見の目を向けられているため、生贄として差し出されたリディもまた嫌悪の対象となり、もはや自由に外を歩くことはできません。
病を克服しても、以前の生活には戻れないと謝るエヴァリストに対し、リディは「それでも感謝しています」と素直に気持ちを伝えました。
「学園に通うよりも、吸血城で学ぶ方が有意義かもしれません」と笑うリディに、エヴァリストは自分が教師役を務めることを提案します。
突然の申し出にリディは恐縮しながらも、彼に魔法を教えてもらえることに胸が高鳴り、提案を受け入れました。
それ以来、リディは毎日勉学に励みます。
実家にいた頃とは比べものにならないほど大切にされていると感じるリディは、自分が生贄である立場を忘れてはいけないと、静かに心に誓いました。
そんなある日、城を訪れたエヴァリストの客――ユリウスという人物が現れます。
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「生贄姫は吸血公爵の渇きを甘く満たす」8話あらすじネタバレ
ユリウスはリディに会うために吸血城を訪れたと言い、エヴァリストから「彼女の主治医になってほしい」と頼まれたと話します。
ユリウスは魔法や呪術に精通した医師であり、魔力病の研究者でもありました。
リディは、エヴァリストが自分の健康を真剣に案じてくれることに胸がぎゅっとなり、感謝の気持ちを言葉にできないほど嬉しく感じます。
ユリウスはリディから採血を行い、城を後にして研究所へ戻ると、血液を分析して驚くべき結果を得ます。
その夜、エヴァリストは外に出ることができないリディを散歩に連れ出しました。
彼の優しい横顔を見つめながら、リディは「吸血城に来てから、罰が当たりそうなくらい大切にされている」と感じ、自分の立場を忘れそうになることに少し怖さも覚えます。
そして、馬車で城へ戻る途中、街にいたミシェルがリディの姿を見つけてしまいました。
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「生贄姫は吸血公爵の渇きを甘く満たす」9話あらすじネタバレ
ミシェルは、リディが高級なドレスとジュエリーを身につけ、吸血鬼侯爵にエスコートされている姿を目にし、その美しさと優雅さに衝撃を受けます。
「どこが生贄なのよ……」と、怒りと嫉妬で震えたミシェルは、「地獄に突き落としたはずの姉が、自分よりも幸せそうにしている」ことが許せず、さらに憎しみを募らせました。
後日、ユリウスの診察予定の日に、思わぬ訪問者としてミシェルが吸血城を訪れます。
エヴァリストに挨拶を済ませたミシェルは、「彼と話がしたいから、リディが恥ずかしい思いをしないうちに席を外して」と、遠回しにリディを追い出そうとします。
エヴァリストが警戒する中、ミシェルは1枚の絵を広げました。
それは、リディの裸を描いたもので、彼女の元恋人アルトワから預かったと言います。
アルトワは学園時代の同級生でしたが、リディは人前で裸を晒したことなど一度もなく、その絵に恐怖を覚えました。
絵に描かれた淫らな姿や行為の内容はすべて、アルトワの妄想によるものでした。
エヴァリストも「証拠にはならない」と言いながらも、絵に描かれていた“あるもの”に強く心を揺さぶられます。
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「生贄姫は吸血公爵の渇きを甘く満たす」10話あらすじネタバレ
絵には、リディの体の、とても親密な関係でなければ知り得ない位置にあるほくろまで描かれており、彼女は恐怖に震えました。
ミシェルは、「今ここでドレスを脱いで、そのほくろがなければ潔白を信じる」と挑発します。
その言葉に、エヴァリストは怒りを隠すことなく、詠唱もせずに絵を炎で焼き尽くしました。
強大な魔法を瞬時に操る彼の力に恐れおののいたミシェルは逃げようとしますが、炎の壁が行く手を阻みます。
リディを侮辱し、欺こうとしたことに対し、エヴァリストは罪を問いました。
ミシェルはその場で土下座し、命乞いをします。
さらにエヴァリストは、アルトワにも「絵を処分し、新たな絵を描くことを禁ずる」と伝えるよう命じ、「従わなければ二人とも罰を受けることになる」と警告しました。
ミシェルが見上げると、そこには憐れむような目で自分を見つめるリディの姿がありました。
その視線に耐えきれず、再びリディを睨みつけて城を後にします。
「姉の不幸を目にするまでは諦めない」と心に決めたミシェルは、エヴァリストがいる限り直接対決は不利だと悟り、周囲からリディを孤立させようと動き始めるのでした。
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